Page23 -「団長の独り言仕込み編」パート2


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PDF 団長の独り言 2017.01.27-2

1月27日(金) 「仕込み編」パート2

さてさて、トラックが空っぽになると、
再び私は高崎君とともに、
高橋さんのご事務所へ
ドライアイスマシーンの引き取りへ。

舞台美術の三井さんは、
タクシーで移動してくださっていたので、
高橋さんの事務所だけでいいのだが、
都内はどこもかしこも大渋滞。

早く大道具の仕込みをしている
みんなと合流したいのだが、
ここは焦ってもしょうがない。

まぁー渋滞のおかげで、
高崎君と芝居の話、
劇団の話なんかもできたので、
有意義な渋滞だったけどね。

そしてドライアイスマシーンを積み込み、
倉庫で積み残した電子ピアノや
小道具類を積み込み、
劇場にトラックが到着したのが、
午前11時すぎ。

積み下ろしに出てきた
舞台スタッフの出口さんに、

「セットはどれくらいで
建て込み終了しそう?」

と聞くと、
なんと!
「終わりました!」との返事!

すげー!
三井さん、高橋さんを中心に、
みんな相当気合を入れてくれたんだね。

舞台セットが建てば、
舞台面は照明さんと
音響さんにお渡しできるので、
この時点で一気に遅れを
取り戻していたのだ。

ただ照明機材の搬入も、
運送屋さんが来ないということでの
二次的なトラブルがあって、
照明リーダーの土門さんの
劇場入り時間も大幅に遅れたので、

ここからは土門さん達、
照明さんチームの正念場!
休む時間も惜しみ、
ガンガンやってくれていたみたい。

私は、ようやく
「運送屋の平野」から解放されて、
トラックを戻し、マイカーに乗り換え、
「団長の平野」になって、
劇場に到着したのは、午後2時を回っていた。

みんなに、

「団長、お久しぶりでーす」

なんて言われたけれど、

そんな冗談も言えるほど、
舞台の仕込みは、朝のドタバタを
完全に取り戻していたんだよね。

そういえば、私が軽やかに
トラックのハンドルを
さばいている姿を見て高崎君が、

「団長って、なんでも出来るんですねぇ。」

って感心していたけれど、

20代後半の売れない役者時代から、
劇団ふぁんハウスを始める前くらいまで、
大型トラックで長距離もやっていたから、
2トントラックの運転は全然抵抗ない。

それに大道具の仕事も経験あるので、
劇団ふぁんハウスを続けている上で、
めちゃくちゃ役にたっている。

そう考えると、無駄に売れない役者を
やっていなかったなぁーって、
こういう時に思った。

さて劇場に到着して、
ちょっと休憩をいただいてから、
とにもかくにも舞台へ。

照明さんがお待ちかねであった
舞台上にあるソファーセットの位置、
事務机の位置、
居酒屋門出のカウンターの位置など、
舞台セット全般の位置を、
客席から見て細かく指示を出し、
バミっていく(記しをつけていく)
作業を済ませると、
いよいよ照明さんのシュート作業の開始だ。

シュートって、
照明の色合いを場面ごとに決めて、
コンピューターに打ち込んでいく
作業のことなんだけど、
私はこのシュート作業ってのが、
結構好きでね。

シーンと静まり返った
誰もいない舞台セットに、
色取り取りの照明が、
点いたり消えたりする様は
すっごく幻想的なんですよ。

その幻想的なシュートが終われば、
今度は音響の野中さんによる
サウンドチェック。

先ほどの静かな舞台に、
今度は、とっても活気溢れる
素敵なサウンドが劇場内に響き渡り、

アマティーが演奏する
ピアノの音のレベルや、
ボーカルマイクの確認作業なども行い、
いよいよ場当たりの開始だ。

場当たりというのは、
稽古場では絶対に出来ない
実際の舞台セットの中で、
照明や音響を入れ、
役者の立ち位置や場面転換などを
確認する作業のこと。

稽古場では、
上手くいっていた場面転換も、
実際に暗くなる「暗転」の中での転換では、
全く状況も異なるのでそのチェックと、
それと同時に照明の当たり具合や、
効果音のタイミングや、
BGMとセリフとの
バランスなどのチェックなど、
スタッフさん中心の
作業を徹底的に行った。

そうそう!
それと今回はラストシーンで
ドライアイスを使用するので、
そのドライアイスの出具合も
チェックしたのだが、
これが素晴らしいのだよ。

舞台監督の高橋さんが
作成したマシーンの威力に感動し、
スケジュール通りに
この日の場当たりが終了し、
劇場を後にした。