Page24 -「本番当日」


『団長の独り言』PDFファイル(A4サイズ)
↓ こちらからダウンロードできます。
PDF 団長の独り言 2017.01.28-1

1月28日(土) 「本番当日」

昨日の仕込みの朝、トラックドライバーの
寝坊というハプニングで、かなりの
ロスタイムが生じたにもかかわらず、
舞台監督の高橋さんの冷静なる采配と、
各スタッフさんの頑張り、
そしてメンバー達のパワーと明るさで、
ちゃーんと帳尻を合わせることが出来た
劇団ふぁんハウス。

初日の朝、今日の天気の如く
晴れ晴れした気持ちで、
「ハウンドドッグ」の「フォルティシモ」
という曲を大音量にして、
カーオーディオでかけながら劇場へ。

今となっては、
ハウンドドッグも聞かなくなったけれど、
劇団ふぁんハウス第1回公演の時から、
ずーっと続けてる「儀式」だから
願掛けの意味も込めて、
本番の朝は必ずこの曲をかけ、
魂を奮い立たせるんです。

この曲を聴くと気合いが入る。

午前8時50分、
劇場前の玄関には全メンバーが
すでに顔を揃えていて、皆に笑顔で挨拶。

何が嬉しいって、
怪我もなくこの初日の朝に、
全てのメンバーが、
病気、怪我をすることなく、
笑顔でいてくれるってこと。

当たり前のようで、
実は当たり前じゃないんですよ。
こうしてみんなが元気に揃うってのは!

今回本番直前に、
2人も体調不良で降板したから、
特にそう思う。

午前9時、劇場入り。
まずは成功祈願から。

舞台セット中央に、
普段は劇団倉庫に奉っている
「明治神宮」のお札(ふだ)を、
平野組のキャスト、スタッフの全メンバーが囲み、
巫女の経験のある平野美岐の指導の下、
劇団ふぁんハウス2代目神主の
鈴木千秋の祝詞に合わせて首をたれ、
皆で願う。

「無事、成功しますように。」

その成功祈願が終わると、
昨日残した場当たりの続きだ。

役者達が客席に降りてきて、
チラシを配るというシーンなので、
動線を何度も確認し、
最後のクライマックスとなる
照明の変化やマイクのレベルチェックなど、

「もっとこうしてほしい!
ああしてほしい!」

という要望を
各スタッフさんに伝える。

赤坂の公演では、照明さんも音響さんも
「場当たり」の時は客席にいるので、
演出的に気になった箇所は
直接各スタッフさんの元へ行き、
指示を出す事が出来るのだが、

板橋の場合、音響の野中さんは
客席の一番後ろにいるけれど、
照明の土門さんは
客席の上の方にある「調光室」という
照明さんの部屋にいるので、
インカム越しでなきゃ話ができない。

だから気になった箇所は、
客席の一番後ろに陣を取る
演出席で書き留めて、
後ほど伝えるという作業を行う。

役者兼演出をやっていると、
この場当たりって結構忙しい。

自分が出ていないときは、
演出席にいればいいけれど、
役者として出ているシーンでは、
舞台上で芝居もしなきゃいけないし、
客席に降りて、
全体のバランスも見なきゃいけない。

だから場当たりの時は、
いつもバタバタ走り回っている。

演出助手がいるとね、
「役者・平野恒雄」の代役として
舞台上に立って芝居をしてもらうんだけど、
演出助手専門でやってくれる人はいないので、
今回も出演者の杉山さんや高崎君に
代役をお願いするが、

私演じる「郡津健太郎」の
長台詞のあるシーンや、
共演者との絡みがあるシーンなどは、
場当たりであろうとも、
本役である私が演じるので、
かなり体力を使う。

そんなドタバタした場当たりも、
高橋さんのナイスな仕切りで、
予定通り終了。

そして、約1時間後に
ゲネプロ(リハーサル)開始。

劇団ふぁんハウス公演では、
毎回大勢の目のご不自由なお客様が
お越しになるので、
数十名のボランテイアスタッフさんが、
受付業務、駅から会場までの誘導、
場内での誘導、音声ガイドラジオの
貸し出し等を行なってくださっている。

そこで、
こうしたボランティアスタッフさんにも、
毎回、極力本番を観ていただいているのだが、
今回は予約の時点で満席状態なので、
ボランティアスタッフさんには、
ゲネプロを観ていただく事にした。

ゲネプロとはいえども、
数十名の「観客」がいるというのは、
演じる我々も、気分は本番!

緊張感いっぱいの中、
「本番の如く」のゲネプロを終え、
スタッフさん達との最終チェックを済ませ、
あとは本番を待つばかりとなったのです。