Page19 -「その3『順調な場当たり作業』」


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団長の独り言 2018.01.19-3

1月19日(金) その3「順調な場当たり作業」

緊張感たっぷりの「場当たり」が始まった。
「場当たり」とは、先週ご説明したように、
全ての場面での効果音や照明の色合いや位置を、
芝居に合わせてタイミングを計る作業の事。

舞台監督さんが進行役となり、
緞帳幕が閉まった状態からのスタート。

今回は本編が始まる前に、
「前説」というものを行うことにした。

受付サブリーダーの平野恒士郎が、
ピンスポットに照らし出された中で
緞帳幕の前に登場し、
「携帯電話の電源をお切りください」とか、
「本番中の写真撮影はご遠慮ください」等の
お客様へお願いするコーナーを
設けたのだが、本番前日のこの日は、
恒士郎が仕事のため来られないので、
代役として杉山正弘さんが登場。

杉山さん、急遽振ったにもかかわらず、
まぁー面白おかしく
「前説」をやってくれましたわ。

しかし・・・
いつまでたっても終わらないので、
舞台監督の高橋さんが
ノリノリの杉山さんに

「はい!終了!」

って途中で声を掛けると、
杉山さんは頭をかいて
花道の奥へと消えたのだが、
そんなやり取りが、
これから始まる緊張感たっぷりの
「場当たり」の雰囲気を和ませてくれた。

そして始まった「場当たり」は、
私の演出的な癖を知り尽くしている
照明さんと音響さんだからこそ、
ほぼイメージ通りの「明かり」と「音」を
的確に出してくれる。

ただそこに役者が絡むと、
照明が変化する前に芝居を始めてしまう
なんて場面もあり、
そういった箇所は何度か繰り返し、
タイミングが合うようにする。

その他にも照明や音響の
細かい修正(演出的希望)はあったが、
一発でダメが通ってしまうのだから、
進行が速い!速い!

舞台監督さんが立てた
スケジュール通りに場当たりは進み、
フッと時計を見れば、
完全退館時間の30分前!

舞台監督さんの指示で
この日の作業を終え、
いよいよ迎える明日に備え、
解散となる。

1月20日(土) 本番当日。

昨日の早朝からの仕込みと
夜からの場当たりで、めちゃめちゃ
体は疲れているはずなのに、
起床予定時刻よりも1時間も
早く目がさめる。

劇団ふぁんハウスを設立してから、
もう33回も本番初日の朝を
迎えているのに、
やっぱり神経が昂ぶるんだよ。

「忘れ物はないよな!」

と、何度も自問自答しながら
支度を済ませ、
仏壇に手を合わせいざ出陣!

車に乗り込み、
19年前の第1回公演の時から、
必ず続けている「ハウンドドッグ」の
「フォルティシモ」という曲を
超大音量でかける。

「激しく~昂ぶる~夢を眠らせるなぁ~
溢れる~思いを~諦めはしなぁ~い♪
愛が全てさ、今こそ誓うよぉ~
愛を込めて、つ~よぉ~く!
つぅ~よぉく~!♪」

この曲を聴くと、
反射的に身が引き締まる。

「リピート機能」を利用して、
5回は繰り返し
大爆音で車内に流したかなぁ?

「諦めない精神」でこれまでやってきた
自分に活を入れつつ、
劇場へ到着したら、まずは皆に挨拶。

全員、顔を揃えている!
このタイミングで1人でも欠けていると、
そりゃ~もう一大事!

ホッと一息つき、
楽屋でたわいもない話をして、
舞台に全員集合し、
恒例となった成功祈願。

お社に納まった
明治神宮の神様(お札)を、
出演者・スタッフ全員が囲み、
鈴木千秋の号令で首を垂れ、
願いは一つ

「無事、成功しますように」。

関係者全員、
気持ちが一つになったところで、
昨日の場当たりの続きを開始。

特に大きな問題点もなく、
これまた
順調すぎるほど順調に事が運び、
スクリーンに映し出される
映像のタイミングや、
スクリーンの下りてくる
タイミングもバッチリ!

で!このスクリーンや、
紗幕という網状の幕の上げ下ろし!
全て舞台監督の高橋さんが
手動で行っているんですよ。

何気なく上げ下げしているけれど、
これ、慣れてない人がやると
「ドスン!」って地上に着くときに
音が出たり、
中途半端な状態で止まったり、
動きも滑らかでなかったりと、
実は結構難しいんですよ。

そんな難しい作業を、高橋さんは
涼しい顔でやってのけるんです。

こうして、優秀なる
劇団ふぁんハウス軍団の
スタッフさん達のテキパキとした
仕事っぷりのおかげで、
順調すぎるほど順調に、
全ての作業が終了し、

次にゲネプロ、
そして本番へと向かうのでした。