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団長の独り言 2018.10.21

「新しい(夢めぐり)への道」

夏公演の「夢めぐり」を終えて早2ヶ月。
9月は公演の打ち合わせに次ぐ打ち合わせ。

10月に入ってからは、
今回から参加する新メンバー、
高村文子さん演じる「みっちゃん」が絡むシーンと、
サックス演奏で夏公演を盛り上げた平野美和が、
今回は久々に役者として参加するので、
その美和演じる「千佳子」が出ているシーンを中心に、
ほぼ特訓に近い状態での稽古を重ねてきた。

「みっちゃん」役の文子さんの
芝居を演出するにあたり、
私は知らず知らずのうちに
前回の夏公演で「みっちゃん」を演じた
三上真理さんの芝居を追い求めてしまい、
なるべく真理さんの芝居に近づけるべく、
何度となくダメを出していたのだが、

真理さんが作り上げた「みっちゃん」は、
真理さんにしか出来ないわけだし、
その真理さんの「みっちゃん」を
キャラクターも年齢も違う文子さんに
同じように演じてもらっても面白くないので、

前回公演をなぞる演出はやめにして、
文子さんにしか出来ない
「みっちゃん」にすべく、
あれやこれやとやっていくうちに、
ようやく「文子さんのみっちゃん」
が形になってきた。

一方の平野美和は、
今回久々に役者として参加するのだが、
その美和が演じる「千佳子」という役は、
十年前の初演時に、
当時小学生だった美和が演じた役なので、
年齢的なギャップなど、
美和なりに色々と思うこともあり、
苦戦している様子。

ましてや、
夏公演では太田愛依梨ちゃんが、
「千佳子」を完全に自分のものにして、
とっても魅力的に演じてくれただけに、

いくら美和自身が
十年前に演じた役とはいえども、
相当なプレッシャーの中で演じることになる。

それでも
「千佳子」をやってみると言うからには、
それなりの覚悟で挑んでいるのだろうけれど、

「初代・千佳子」
としての意地があるのか、
意識的に愛依梨ちゃんの
「千佳子」とは全く違う
「千佳子」を作り上げるぞ!
という意気込みが強すぎているようにも
見えてしまい、

だからまた「つい」
前作の「千佳子」的な芝居
(愛依梨ちゃんの芝居)を
追い求めてしまう演出になっていた。

いやいやいかん、いかん。
これまでも、何度も何度も
様々な作品を違う役者で
再演しているんだから、
役者が変われば芝居も変わるってのは、
理屈ではよーく分かっているくせに・・

みんなには、
「前作の芝居はすべて忘れて」
「前の芝居をなぞるな」
って厳しく言っているくせに・・

ちょっと油断してしまうと、
私自身「つい」評判の良かった
芝居をなぞってしまい、
前回公演と同じように
演じてもらおうとしてしまっていたので、

ここは気持ちを切り替えて、
新キャスト達の個性を最大限生かした
演出で芝居を組み立てていくと、

同じセリフで同じ状況なのに、
新キャストの芝居に合わせて
共演者達の芝居も変化してきて、
前回公演とまったく違った
新たなるシーンが
続々と登場してくるから、
いやはややっぱり芝居ってのは、
面白いもんですわ。

こうした稽古を繰り広げている中、
新キャストの最後の一人、
みすき康人さんが稽古に合流してくれた。

みすきさんは、「ふきのとう物語」で、
「吉野」という初老のわけありの男性を演じ、
フィナーレでは「黄色」担当で、
大活躍をしてくれたメンバー。

「どうもどうも!」

と挨拶を交わし台本をお渡しして、

「やってもらいたい役はね・・・
この役でね・・・それで・・・
まぁーこんな感じでお願いしますね。」

なーんて説明のみで、
いきなり初見で演じてもらう。

みすきさんは、夏公演の「夢めぐり」を
客席から観てくれてはいたものの、
その時は自分もこの芝居に出演するとは
思ってもみなかったのだろうから、
なんとなく
役の人物がどんな役かは分かるものの、
だからといって
いきなり出来上がった役者達の中で
演じるってのは、
それはそれでかなり度胸がいる。

それでもみすきさんは、
快く、立ち稽古に応じてくれる。

そこでほら、私はこれまでの反省があるから、
あえて夏公演の「二郎」の影を追うのはやめて、

「みすきさんの二郎」を好きに演じてもらえば、

「なるほどねぇー
そういう二郎もありかぁ!」

と思わせてくれる「二郎」が登場したので、
私の中でも新たなる演出のアイディアが
浮かんできて、

時に舘ひろしさん風・・・
時に爽やかにこやか青年風・・・
時に演劇オタクの理屈っぽい青年風・・・と

様々なパターンを演じわけてもらいながら、
ある程度の方向性を決め、
あとはじっくり台本を読んでもらって、
「二郎」という役を固めてもらうことにした。

と!いうことで、今回の「夢めぐり」は、
キャストが変わったことにより、
新しい「夢めぐり」になること間違いなし!

次の稽古では
どんな展開になるのかなぁ?と
稽古が楽しみな団長でありました。