「明るく!楽しく!やりましょー」

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団長の独り言 2018.11.11

これまでの劇団ふぁんハウスの
舞台セットは正面を向いて建っていた。

しかし「夢めぐり」の舞台セットは、
前回の夏公演をご覧になった方ならば
お分かりかと思うが、
舞台セット全体が15度の角度をつけた状態で、
下手奥(客席から見て左側)に振って建っている。

その角度に慣れるために、
前回の夏公演の稽古では本番1ヶ月前くらいから、
紐や養生テープ等を使い、あの手この手で角度を出し、
その都度、みなで試行錯誤を繰り返し、
それっぽい形の「末吉家」を作って稽古をしてきた。

あの時は、みんな慣れないものだから、
稽古場造りにかなりの時間を要していたのだが、

今ではすっかり要領を掴み、様々な工夫を凝らした
道具類を使って、あっという間に、
斜めに振った「夢めぐり」の仮セットが完成する。

その稽古場で、昨日も今日も
とっても充実した稽古が繰り広げられた。

前回の稽古でも、
すごく楽しそうに演じていた皆さんだけど、
稽古を重ねる度にその楽しい雰囲気が
益々いい感じになっている。

脚本自体は、
まったく変わっていないんだけど、
色々な場面で新たな発見?がありまして、

「ここって、こうやって
こうしてみたらどうでしょう?」

って、役者から提案があると、

「なるほどねー!」となり、

その提案に合わせて演出も変更し、
一部を変更すれば、こちらも変更しって感じで、
ちょこっとだけ変えただけで、
前回やや違和感のあった箇所もしっくり。

そしてさらなる変化が、
なんと言ってもキャストが変わったことによる
新鮮なるシーンの数々だ。

私は、自分が書いた登場人物のイメージを
役者に合わせてもらう・・・という事は、
あまりやらない。

例えば、私がイメージしていた人物と
違った感じで役を作ろうとしている
役者がいたとする。

それが全然面白くなくて、
みんなのペースを乱すような芝居ばかりの
「自分勝手パラダイス」って芝居ならば、
当然ながらダメを出させてもらうが、

「おっ!」って直感的に思える芝居だと、
私がイメージしていた人物と全然違う
芝居をしても、
役を演じてる人に合わせたキャラクターに
脚本の設定も変更して、

さらに「おおおっ!」って感じの
提案をさせてもらい、

結果として当初の脚本に描かれている
人物とはまったく違った人物が
現れるなんてことは、しょっちゅうありまして、

だから今回も、前回の夏公演の「夢めぐり」から
演じる役者の変更のあった三つの役も、
前回公演の役のイメージを追わないように
追わないように意識をして、
新メンバーの芝居をつけている。
(最初は無意識のうちに、
前回公演の役者達の芝居を
なぞろうしてしまっていたが・・・)

例えば、「二郎」役のみすきさん。

基本的な設定は変わらないけれど、
みすきさんに合わせた「二郎」を作るべく、
様々な「二郎」に挑戦してもらっていたが、
ようやくイメージも固まり、
「二郎」って人物の年齢設定や、
鈴木千秋演じる「百合子」との関係性、
新たなキャラクターに合わせた
セリフの変更など、
稽古の度に様々な変更をしていった結果、
みすきさんだからこそ出来る
「二郎」にどんどん進化してきた。

「みっちゃん」演じる文子さんも、
はじめのうちは、
ご本人はかなり遠慮していたのか?
緊張していたのか?
芝居がとても小さかったのに、
文子さんが本来持っているキャラクターを
掴ませてもらってからは、

「文子さんが映えるみっちゃん」

にすべく、
文子さんの緊張を解きほぐしながら、
色々と注文を増やしていくと、
稽古を重ねるたびに、
どんどん「おもろいみっちゃん」なってきた。

劇中のセリフじゃないけれど、
今のみっちゃんは、
「生き生き生きてる!」って感じだ。

それから「千佳子」を演じる美和。
いつぞやの「団長の独り言」にも描いたけれど、
「自分らしさ」を意識するがあまり、
芝居に迷いがあって、
どうしても小さな芝居となっていたけれど、

ここ最近は、「これだ!」ってのを掴んだのか、
子供の頃から演じてきた役者としての勘を
取り戻したのか、
「末吉家」の中に自然と溶け込んできている。

この三人が
ぐぅーっと入り込んできたおかげで、
前作から引き続き演じている
役者達の芝居も自ずと変化して、
なんだろうなぁー。
みんなで造っている感じが出ていて、
緊張感の中にもアットホームな雰囲気が
そのまま芝居の中にも出ている気がする。

こりゃーお正月公演にふさわしい
「温かいお芝居」をお見せ出来そうな
予感を感じる今週の稽古でした。