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団長の独り言 2018.11.18

「鈴木真治選手!負けるな!」

「S-CUPトーナメント」という
2年に1度開催されるシュートボクシングの
世界大会を観戦してきた。

シュートボクシングってのは、
普通のキックボクシングと
一見同じように見えるんだけど、
簡単に言えば、
キックボクシングのルールに加えて
投げ技もありっていうルールの格闘技。

その大会にキックボクシングの選手、
鈴木真治君が出場するって事になったのだが、
開催場所がなんと両国国技館!

あんな大きな会場で
大会が行われるって事に驚き、
さらにワンデートーナメントって事で
また驚く!

ワンデートーナメントとは、
読んで字に如く、
その日のうちに
1回戦から決勝まで行ってしまう。

「そんなの当たり前やん」

って思っている方!
普通の競技と違うんですよ、
キックボクシングは!
(今回はシュートね。)

なにせ防具も何も付けない状態で、
顔面やボディーを
ボコボコ殴る蹴るなんですよ。

1回やっただけで身体はボロボロになり、
かなりのダメージがあるそうで、
多少のインターバルはあるにせよ、
決勝まで進むとなると、
相当きつい状態で3度も戦わねばならない。

そんな大会にベテランの域に達した
鈴木選手は挑戦するのだ。

真治君は、
これまで劇団ふぁんハウスの芝居も
何度も観に来てくれているし、
何度か食事も一緒にした事もあるのだが、
普段はとても礼儀正しい好青年。

しかも彼は結構苦労人でね。
長い年月、地道にコツコツ、
真面目に無骨にキックボクシングを続けてきた。
彼がチャンピオンになったのも、
20代後半だったかな?

ちなみに私が初めて彼の試合を観たのが、
チャンピオンになったタイトルマッチ
だったんだけど、あれからどれくらい
応援しに行っただろうか?

時に練習中の怪我で
タイトル防衛戦を棄権せねばならない事もあった・・
また長年お世話になったジムから
今のジムに移籍をして、
心機一転再スタートをきったのも2年前。

「もうそろそろ引退したら・・・」

という彼の将来を案ずる声を振り払い、
覚悟を決めてキックの世界で
命を懸けて生きている。

ここは彼の生き様を、
何が何でも応援すべく、いざ両国国技館へ。

両国駅を降りてちょいと歩くとダフ屋さん・・

「ダフ屋が出るほど人気のある大会に
真治君が出るんだ!」

と思いつつ、
ダフ屋さんを横目で見ながら会場へ入れば、

ひろーい!!

真治君!
こんなところで試合するのかぁーと感動。

なんだか緊張してきたところで、
まずはオープニングイベント。

大音響と華々しい照明の中、
巨大特設ステージの上に選手一人一人登場し、
全選手がズラーリと並ぶ。

そしていよいよ試合開始。

真治君の1回戦は、
WBKF世界スーパーライト級
チャンピオンでキルギスの選手。

ゴングが鳴り試合が始まる。
真治君は序盤押されぎみだったが、
1ラウンドの後半で、
強烈な肘打ちをお見舞いし、
その選手を1ランドTKO!

すげー勝ったよ。

続く準決勝は、
タイのムエタイ選手を破ったUMAとの試合。
こちらは壮絶な打ち合い!
打たれても蹴られても前に出る鈴木選手。

すると動き回っていた相手の足が止まり、
そこから真治君の攻撃が迫力を増す!

会場のあちらこちらから

「いけー鈴木!」
「効いているよ!」
「ローだ!」

等の声!

その大声援が真治君のファイトを後押しして、
3ラウンドが終わり判定を待てば、
「勝者!鈴木真治」とのコール。

なんと!
シュート初参戦の真治君が
見事に決勝進出を決めた!
もうとにかく嬉しい!
興奮する私。

その後行われた
ラウンドガールの紹介イベントや
RENA選手による復帰宣言セレモニー、
そしてスペシャルタイトルマッチ等があって、
いよいよ決勝戦・・・と思いきや!

「鈴木真治選手、
眼窩底骨折の疑いがあり棄権」

とアナウンスが流れ会場が騒然となる・・・。

確かに素人目からは、
かなりパンチをもらっていた気がしたが、
まさかこんな結果になるとは。

諦めず前へ前へと出ていくスピリッツが、
会場にいる観客の胸をうち、
鈴木真治ファンが増え、
声援に後押しされて
真治君は勝利をもぎ取ったのに、
やっとここまで上り詰めたのに・・・

本当に過酷な競技なんだと実感する。

残念な気持ちと同時に、
「真治君、大丈夫だろか?」と、
とても心配しつつ会場を後にしたその日の夜、
真治君からメールをいただいた。

やはり眼窩底骨折だったそうだ。

でもそのメールには、

「決勝に出られず申し訳ありません」
「会場でご挨拶も出来ず申し訳ありません」

って彼らしい言葉が書かれていた。

なんという気配り・・
今、それどころじゃないのに、
痛みと悔しさで私ごときの事を
気にかけている心境じゃないはずなのに・・・。

彼は応援してくださる方々を
本当に大切にしているんだってのが
ヒシヒシと伝わってきた。

これぞ!プロ!
応援してくださる方がいるから頑張れる!

応援してくださる方の期待を
裏切らないためにも、
妥協せず一生懸命になれる。

それは劇団ふぁんハウスの活動もそうだ。

彼からファンの方々の
大切さをあらためて教えて貰う。

その真治君からのメールの最後に、

「必ず復活します!」という文字!

鳥肌が立った。
私も負けていられない!
諦めない精神で気合を入れ、
稽古へと向かったのでした。