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団長の独り言 2018.11.18

「いい芝居を創らなきゃ!」

これまで順調かな?
と思っていた稽古・・・
なかなか苦戦しております。

なんだろうなぁ・・・。

一言でいうと、
芝居が雑になってきているとでも
言うのかなぁ?

自分の動きの意味を深く考えず、
前作をそのまんまなぞっていて、
セリフも大事にしないで、
「演じているつもり」の役者もいれば、

「芝居しているぜい!」ってのを
全面に出しすぎて、独りよがりで、
歯車の噛み合っていない
芝居をする役者もおりまして・・・。

それで、いざダメを出すと、
なかなかダメが通らず、
まったく変化しないメンバーもいれば、
極端に芝居を変化させて、
なかなか「それだ!」の域にまで
達することができない。

そんな芝居を
見るに見かねた竹内の兄貴、

基本的に演出以外の人間が、
あーだこーだと稽古中に言っては
いけないってのは重々分かっているのに、
よっぽど我慢が出来なくなったんだろう・・。

かなり強い口調で、
緊張感のない芝居をしている役者達に対して、
熱く熱くダメを出していく。

言い方がかなりハードで、
稽古場の雰囲気が一瞬凍りつくような
時もあったけれど、
竹内さんが言わんとしている事の
ひとつひとつが、

「そうだよなぁー」
「うん!まさにその通り!」

と納得させられることばかりだったので、
自分の演出の不甲斐なさを痛感してしまう。

竹内さんの事をよく知らないと、
あのぶっきらぼうな物言いに、
驚き戸惑う人もいるかもしれない。

だけどね、普段ボソボソと喋る竹内さんが
あそこまで熱く語るってのは、
それだけみんなに愛情をかけているからであり、
いい芝居を創らねばならない!っていう
思いがあるからなんだよ。

根はすごく純粋で真面目!
心から芝居を愛している。

だから、
適当な芝居をしている役者がいると、
すごくイライラするんだろうね。

その竹内さんが、
何故、昨日あれほどまでに
熱くなったのかと言えば、

10年前の「夢めぐり赤坂公演」に出演して、
それで、その数ヶ月後に行われた、
「夢めぐり八王子公演」の時、
再演であるにも拘らず、
八王子公演ではなんの工夫もせず、
何も考えようともせず、
赤坂で演じたのと
まったく同じ芝居をしてしまったことを、
後悔していたからなんだそうだ。

だから、みんなの判で押したような
芝居を見ていて、もうダメを出さずには
いられなかったんだろうね。

誤解されないように言っておくが、
いつもの竹内さんは、
演出家を差し置いて、
無神経に稽古中に役者にダメを
出す人じゃないんですよ。

基本的に稽古場では
演出家以外の人が演じる役者に対して
余計な事をいっちゃーいかん・・ってのは、
ちゃんと理解をしている人。

今回の熱血指導も、
私がダメを出しているその内容を聞いて、
役者達に何を求めているのかを
キチンと把握した上で、
私が言わんとしていることを
さらにグレードアップさせて、
皆に伝えてくれたのだ。

まっ、そういうわけで、
知らず知らずのうちに、
なんとなく緊張感がなくなっていた稽古場に、
竹内さんが活を入れてくれたおかげで、
とってもいい刺激をいただいた
昨日の稽古となった。

その緊張感を保ちつつ、
今日の稽古では、
私も遠慮することはやめにして、
あえて厳しいダメを出していくが、
これがまた難しくてね。

ダメ出しの嵐にしてしまうと、
そのダメを出された者は、
何をどう演じればいいのか混乱し、
演じる方向性が分からなくなるし、

かといって、
「それでいいよ」とは言えないし、
でも、言ってあまりにもダメを出し続けていると、
芝居そのものが縮こまってしまって、
本来、その役者が持っている魅力自体、
なくなってしまう。

だから、ダメを出したい気持ちを
ある程度セーブして、グッと我慢しながらも、
それでも言うべき箇所は言葉を選んで、
各役者の性格に合わせてダメを出し、
何度となく同じシーンを繰り返していくと、
ようやく人様にお見せ出来るレベルにまで
戻ってきたので、とりあえずはホッ。

「よし、次のシーンに進むか!」

と時計に目をやれば、
なんてこった!
もう稽古終了の時刻。

もっともっと稽古したかったけれど、
しょうがない。

次回の稽古は、もう12月に突入する。

余裕かましている場合じゃないよー!と
自分自身にも、
言い聞かせる団長でありました。