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団長の独り言 2019.02.03

「夢めぐり
ありがとうございました。」(鈴木千秋)

今年の夏に上演する、
新作脚本を執筆中の団長・平野恒雄に代わり、
今週は鈴木千秋が「団長の独り言」を担当いたします。
1月5日に上演した今年最初の舞台「夢めぐり in 板橋」から、
早いもので1か月が過ぎようとしています。

このひと月の間に、お仕事やらなにやら、
色んなことが詰まっていたので、
舞台本番がもっと前のことのように感じています。

そんなハードなひと月でしたが
「夢めぐり in 板橋」の記憶は、
まだまだ鮮明に残っています。

今回はお正月の公演ということで、
新年を祝う明るくめでたい雰囲気が
劇場にも漂っていました。

ですが、少なくとも本番をやり遂げるまでは、
浮かれず自分を律して行動しようと心がけていました。

また、風邪などの感染症の流行る時期ですし、
特に体調管理には細心の注意を払い、
身体が鈍らないよう、年末年始も出来るだけ動いて、
小屋入り前日もスポーツジムへ行き、
箱根駅伝で走るランナーや、チーム、実況など、
テレビ画面から伝わる熱気に影響を受けつつ、
ランニングマシンで走り込んだりもしました。

その甲斐あって、体力を維持し、
万全の体調で本番に臨むことができました。

さて、「夢めぐり」は、昨年夏の公演も、
今回の冬の公演も開場時から
舞台の緞帳幕が上がっていて、
舞台セットが見えるようになっていました。

いつもの劇団ふぁんハウス公演では、
開演までは緞帳幕は下りていて、
開演とともに緞帳幕が上がり、
そこで初めて舞台セットがお客様の前に現れます。

その末吉家(すえよしけ)は、
劇団では初めてとなる斜め15度に角度のついたセットで、
玄関を入るとクリーニング店のカウンター、
お部屋が二つあり、廊下・縁側・奥へと続く襖など、
しっかり作り込まれた舞台セットでした。

開演前から緞帳幕が上がっていたことで、
「素晴らしいセットをじっくり見ることができた」と、
お客様にも好評だったようです。

さてさて、諸々の準備が整い、
ゲネプロを終え、しばしの休憩を挟みいよいよ本番です。

開幕を告げる2ベルが鳴ると、ピアノのアマティーと、
ヴァイオリンの池田開渡さんの素晴らしい演奏が始まります。

「オープニングの演奏を聴いただけで
涙が出てきた!」

という方も多かったんですよ。

そして舞台セットにゆっくりと照明が入り、
息が吹き込まれていきます。

私はこの舞台で最初に登場する役だったので、
舞台下手にある花道の奥から
その照明の変化を見ていて、物語の舞台となる末吉家に、
ゆっくりゆっくりと血が通い始め、
息をしていくのを感じていました。

実はこの時、私はとてつもなく鼓動が激しくなり、
つまりかなり緊張した状態になっていました。

出番直前で激しく緊張してしまうこと、
時々あるんです(汗)。

適度な緊張は必要だと思っているのですが、
必要以上に緊張してしまうと、
発声などにも影響しかねません。

それくらい緊張していまして、
演奏が終わり、私の登場まで時間がないのですが、
大きく大きく深呼吸を何度か繰り返し、
気持ちを落ち着かせ、灼熱の太陽が照りつけ、
セミが大合唱する舞台へと向かいました。

打ち上げの席で、この登場シーンでめちゃめちゃ
緊張していたことを話したら、
舞台監督の高橋さんにかなり驚かれました。

確かに何度も舞台に立っているし、
幕開きと同時に登場することも私は多いですし、
あまり緊張しているようにも見えないタイプなので(笑)、
そこまで緊張しているとは思わないですわね。

まぁ舞台に出てしまえば、
さっきまでの緊張は嘘のようになくなるわけですが
(これは多くの役者さんが経験しているのでは
ないでしょうか)。

そのオープニングの照明の変化は、
照明の土門さんもこだわり&技術があったようです。
時間の流れの表現がすごく素敵だと、
緊張しながらも見ていました!

ちなみに音響の野中さんは、
オープニングでけたたましく鳴くセミの音は、
百合子がドアを開けて室内へ入ると静かになり、
室内で聞こえるセミの音量に変化するという、
さすがのこだわりというか
技術で対応してくださっていました。

それぞれのプロの皆様にしてみれば、
当たり前のことかもしれないのですが、
専門外の私は、いちいち感心してしまうのでした。

「夢めぐり」の記憶・想いは尽きません。
舞台は実にたくさんの方々に支えられ、
公演が成り立っていること、
チームワークにより作られていることを、
この作品通して、またあらためて実感いたしました。

ご来場いただいたお客様、
応援してくださっている皆様、
ご尽力いただいた関係者の皆様、
本当にありがとうございました!

お客様からいただいた
有難い感想や厳しいご意見をしっかりと受け止め、
日々成長していきたいと思います。

これからも劇団ふぁんハウスを
どうぞよろしくお願いいたします。