『団長の独り言』PDFファイル(A4サイズ)
↓ こちらからダウンロードできます。
団長の独り言 2019.05.12

「衣裳を着れば、芝居も変わる!」

十連休なんてものが終わり、
世の中は通常を取り戻したような気がする。

その十連休中に時代は平成から令和へと変わり、
まぁーだからと言って、暮らしの中で
何かが大きく変化したってわけでもないけれど、
今、みんなががむしゃらになって
稽古をしている劇団ふぁんハウス
第36回公演「明日への旅路」は、
令和初の公演となるって事にハッと気づく。

稽古を開始した3月には、
そんな事はまったく考えないでスタートしたけれど、
何はともあれ新しい時代の幕開けの
記念すべき最初の公演となるわけでして、
せっかく時代が変化した第一弾公演なのだから、
劇団ふぁんハウスらしさはそのままに、
「なんだかさらに進歩したんじゃないの?」って
言っていただけるような芝居にすべく、
気を引き締め、
昨日、今日も集中した稽古を行った。

まずはアマティアズのピアノ、
平野美和とウォルフィ─佐野さんの
ダブル・アルトサックスによる
「ジャズバージョン・明日への旅路」
の演奏を聞かせてもらう。

演奏をスタートする前、
音楽家3人が稽古場の隅で、
何やら打ち合わせをしているんだけど、
その姿から結構カッコイイのです。

ついこの前まで子供子供していた美和も
今や20歳(もうじき21歳)となり、
ちゃんとアマティーと佐野さんの会話に、
音楽家として絡んでいる姿が
なんとも不思議に思える。

佐野さんが
「じゃーこのテンポで」と言って(片手指パッチン)で、
エイトビートのリズムを刻むんだけど、
彼は本場アメリカ・ニューオリンズで
何年間もジャズ修行をしただけあって、
カウントの取り方もかっちょいい!

「ワン、ツー、ワン、ツースリーフォッ!」

で、始まる3人のコラボは、
この日初めて合わせたとは思えない。

まだまだ本人達によれば
改善につぐ改善が必要らしいけれど、
今の段階で結構カッコいいので、
こりゃー楽しみですわ。

そんな素敵な音楽を聴かせてもらい、
出演者全員ノリノリになったところで、
本稽古開始。

一応、
全シーンの動きや芝居を一通りつけたけれど、
細かい箇所については、
まだまだたーくさんダメを出したくなるような
雑な芝居ばかりなので、昨日今日の稽古では、
雑な部分ひとつひとつ時間をかけて、
丁寧に稽古していく。

女性陣は、
届いたばかりの衣裳を試しに着てみての
稽古となったのだが、
ホテルの従業員役の2人はそれなりに見えるし、
給食センターの従業員役の皆さんも、
それなりどころか「そのもの」に見えてしまう!

早速、その衣裳を身にまとって稽古をすると、
当たり前だけどジャージの時とは違って
雰囲気も出ていて、芝居の冒頭シーンでは
どの役者もセリフが入っている(覚えている)から
動きものびやかだし、全体的にテンポもいい。

あとに続く「給食センター」のシーンで、
白衣姿の皆さんが休憩室で雑談するところも、
やっぱり衣裳の力がそうさせるからなのか、
すごくいい感じ。

衣裳の持つ力ってすごいよねぇ〜
着た人がその気になってしまうんだもんね。
コスプレイヤーの気持ちも分からなくもない。

あと衣裳を着れば、
動きもぜーんぜん変わってくる。
特に衣裳が着物ともなると、
動きはまるで別モノ!

だから舞台の時代劇での稽古では、
最初から浴衣等を着て稽古をするのが一般的。

そういえば、その昔私が出演させていただいた
商業演劇の時代劇の稽古では、顔合わせや
読み合わせの時からすでに浴衣を着ての稽古だった。

だからね、
初めて舞台での時代劇の出演が決まった時は、
とりあえず帯の結び方と、着物のたたみ方だけは、
稽古が始まる前までに必死になって覚えたものです。

ちなみに映画とかテレビの時代劇の現場では、
メイクも着物の着付けも、すべてスタッフさんに
やっていただいていたけれど、

舞台の場合、稽古時もちろんのこと、
本番でも、メイク、着物の着付け、羽二重・鬘、
そして刀をさすところまで、すべて自分で行うのが原則。

劇場入りした時、化粧前に「ドン」と積まれた
自分が着るべき衣裳を見て唖然とした。

「これ?何の役で着るの?
そもそも、どうやって着るんだよ?」

ってものがたーくさん。

仕方ないから
隣の化粧前の同じ初舞台の奴とごそごそしながら、
それなりの恰好をしてステージに行けば、
おっかない大先輩にめちゃくちゃ怒られてねぇ。
でもね、
「平野!袴と着物持って、あとで俺の楽屋に来いっ!」
って言って下さり、ちゃんとした着方を教えていただき、
他の先輩の着付けも見て・・・現場で覚えましたねぇ。

着付けを教えて下さった大先輩、立ち回りも上手だったなぁ。
お元気かなぁ? 

時代劇をしてみたいなぁーって思いはあるんだけど・・・・。
でも・・・なにせほら、
全出演者が着物を着ての芝居となると
予算的にかなり厳しいものがありまして。
だから、衣裳にあまりお金をかけないで済むような
脚本をつい書いてしまうんですよねぇ。

そんなことを思いながらも、
目の前で衣裳を着て生き生きと演じるみんなを、
頼もしく思える団長でありました。