Page23 –「順調なる仕込み作業」


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団長の独り言 2019.07.26-②

「順調なる仕込み作業」

素敵な舞台セットが完成すると、
今度は舞台セットに道具類をセッティングしていく。
ソファーセット・・カウンター・・観葉植物・・
そして「スリーミー2122!」

スリーミー2122とは、
ベッド型の健康医療マッサージ機の事。

こちらはただのマッサージ機ではなく、
厚生労働省から認可を受けた医療を目的とした
マッサージ機型の医療器具の事でして、
そのスリーミー2122を、
何故に舞台セットとして設置するのかといえば、
今回のお芝居をご覧になられた方ならば
お分かりかと思いますが、
物語が展開していく上で、スリーミー2122が、
とても重要なアイテムとなっているのです。

そこでこの度、
「フランス総合医療株式会社」様のご厚意により
スリーミー2122をお借りしたのだ。

脚本を描いていた時は、
本物をお借りするって発想はなかったので、
似たようなネーミングにして、
大道具さんにそれっぽいものを
作っていただこうかなぁ〜?なんて考えていたのだが、
いざキャストが集まり、
読み合わせを行っているのを聞きながら、
イメージを膨らませていくと、
どーしても本物のスリーミーを、舞台にドカン!と
セッティングをしたいと思うようになった。

そこでネットで検索してみたら、
中古なんてものは当然ながらない・・・
だからと言って本物を購入する予算なんてのも、
当然ありゃしない・・・。

はぁ〜ってため息をついていたら、
睦子さん(佐藤睦子)が
「その会社にお借りできないか電話してみたら?」

なーんて、凄い大胆な意見を言ってくれたのだが、
正直「無理でしょう・・」と誰もがそう思った。

でもね、だからと言って、行動する前から
諦めるのは劇団ふぁんハウスらしくない!

よし!とばかりに思いっきり突然攻撃で、
鈴木千秋が先方の代表電話に連絡をして、
ふぁんハウスはこういう劇団で、
どうしてこうして・・・と、
熱く語ってくれたんだと思うが、
スリーミーをお借りできないか?と
超ダメ元でお願いをしてみた。

最初、そちらの会社の方は、
「劇団ふぁんハウス?」
「芝居でスリーミーを使う?」
と頭の中は???だらけだったようで、
ご回答は一旦保留となり、
その間に営業部の方が劇団のHPをご覧になったり、
あれやこれや思案された結果!
後日「いいですよ!」という
信じられないお返事を頂戴し、
そこから話はトントンと進み、
スリーミー2122をお借りする事となったのだ。

そのスリーミーを舞台セットに設置すると、
いゃっほぉ〜!存在感バリバリ!
やっぱり
これは本物をお借り出来て良かった〜って思った。

ちなみに本物だから、
電源を入れれば当然ちゃんと動く。
そんじょそこいらのマッサージ機とは
わけが違う気持ち良さ!
時間が空けばぜひとも体験しようと
たくらんでいる輩は結構いたようだ・・・。

それはさておき、スリーミーを設置し、
すべての装置も配置し終えると、
今度はプロジェクターの設定作業に移る。

今回は「文字テロップ」の他に、
舞台セットのうしろに大きく映し出された
雄大な景色をバックに、
役者が演じるという演出も取り入れた。
でも取り入れたはいいが、うまく出来るかどうか、
めちゃめちゃ不安だった。

以前にも大きく景色を映し出すという
演出の芝居はしたことがあったけれど、
その時は、舞台セットを覆い隠すように
大きなスクリーンが舞台セットの前に降りてきて、
スクリーンに景色を映し出すものだったので、
それほど設置には苦労しなかったけれど、

今回は
舞台セットをかわした後ろのホリゾントに投影し、
その映像の前で役者が芝居を行うという演出なんだけど、
投影場所は客席の頭上・・・

という事は、普通に考えれば
役者の顏や身体にも「景色の映像」があたるって事。

そーゆう事はしたくない・・・。
大丈夫かなぁ・・・と心配してたら、
絶妙な微調整を、
プロジェクター担当のジョン・ジュヨン君が
松川先生と共にバシッ!と決めてくれまして。

あと三井さんが考案した舞台セットの柱と欄間も、
ちょうどいい感じの影を作っていたので、
予想以上に素晴らしい投影が出来き、
順調に舞台のセッティングも完了し、
今度は照明の樋口さんが「シュート」という作業に入った。

「シュート」とは、色とりどりの明かりが
舞台セットを照らし出し、さらに素敵な空間へと
変化させる「明かり作り」作業の事なのだが、
シュート作業を観ていると、
とっても幻想的で素敵なんだよねぇ。

数時間後、そのデリケートな
明かり作りの作業が終わると、
素敵な音楽を流しつつ
音響チェックをする野中君が、
佐野さんと美和が演奏するサックス用の
マイク調整のため、二人の演奏にエコーを掛けると!
ひゃ〜カッコイイ〜。

こうして朝9時から始まった仕込み作業は、
17時には全ての作業が終わり、
今度は場当たりという稽古場では絶対に出来ない、
演出的観点から見た照明の色合いの確認、
音響効果の響き具合のチェックと、
役者も交えて場面転換のチェックを行う
かなり神経の使う作業に突入したのでした。