Page5 –「愛着のある稽古場で充実した稽古」


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団長の独り言 2019.11.03

「愛着のある稽古場で充実した稽古」

いつも利用させていただいている
稽古場の都合で、
ここしばらく(3週間にわたって)
都内の公共施設を転々としながらの稽古だった。

どの施設もとても綺麗で交通の便もよく、
みなが集まりやすい環境だったので、
とてもいい雰囲気の中、稽古を行う事が出来て、

「ずーっとここでもいいかも」

という浮気心が出た。

しかし、
昨日久々に「いつもの稽古場」に戻り、
部屋に足を踏み入れると、とっても落ち着く。

部屋の広さと清潔感、
トイレの数とその綺麗さ、
空調の調子、部屋の明るさ、
自動販売機の設置場所、
コンビニの近さ等々・・・。

どれをとっても、
転々とした他の稽古場のほうが
正直勝っているけれど、
それでも
定期的に利用させていただいている
稽古場のほうが居心地が良く、
妙に落ち着くのは何故なのかなぁ?

思わず「なんか落ち着くね」と
独り言のようにつぶやくと、
メンバー達が口々に
「みんなそうなんですよ」と笑顔で言う。

「いつもの稽古場への愛着」ってのが、
いつの間にやら我々の心の中に
溶け込んでいるって事なんだろうね。

劇団ふぁんハウスは、
基本的に土日のみの稽古なので、
日数的にはそれほど多くないけれど、
期間にしたら約4か月!
自主稽古等の準備期間も入れると
約5か月間かけて芝居を創っている。

芝居をやった事のある人や、
現在もバリバリ芝居をやっている人達が
ふぁんハウスの稽古期間を知ると、
大抵は驚かれるか、呆れられるか?
鼻で笑われる。

まぁーそれくらい、長い期間、
ここの稽古場で悩み・・・泣き・・・
そして笑っているので、
そりゃーね、愛着も湧くってものですわ。

では何故に劇団ふぁんハウスは、
こんなにも長い期間、稽古を行うかと言えば、
土日しか稽古を行わないから・・ってのが、
一番の理由だけど、

劇団ふぁんハウスの出演者ってのは、
あちこちの団体で芝居を行っている
経験者もいれば、
芝居経験ゼロのメンバーもいるし、
生活スタイルや年齢、障害があるとかないとか、
何から何までバラバラな人達が集まっているので、
そのバラバラな状態をひとつにするためには、
どうしても長い稽古期間が必要なのです。

その長い期間にお互いの信頼関係を形成し、
じっくり煮込みながら、
「お客様に楽しんでいただく芝居創り」
という基本精神を忘れず、
切磋琢磨するメンバー同士の関係性をちゃんと築いて、
劇団ふぁんハウスのチーム力を高め、
本番に挑むのです。

どうせやるなら一生懸命やらないと!
その一生懸命も継続しなきゃ!

「熱意とやる気さえあれば、
障害があろうがなかろうが
本物の芝居が出来る!」

20数年前の設立当時、
私はなんの根拠もなく叫んでいたけれど、
その精神をずーっと続けてきて、
現在の劇団ふぁんハウスの在り方を見てみると、
これだけ続いているのだから、
きっとそこは間違ってなかったんじゃないかな?と
最近ようやく思えるようになってきた。

それでも毎回余裕も自信もなく、
相変わらず、悩み苦しみ、
もがきまくっているけれどねぇ・・・。

そんな私の想いを理解してくれている
メンバー達が今日も明るく元気に、
稽古場に顏を揃えてくれたので、
まずは篠笛奏者の岡部さんと、
ピアノ演奏のアマティーとのコラボから
聞かせてもらう。

うーん・・・。
いい雰囲気になりそうなんだけど、
何かが違う。

私の中で「これだ!」って心がざわつかない。

そこで、
「こんなイメージで、こんな雰囲気で!」
と、演奏者からしてみたら、
「素人が何を無茶な注文を!」という
レベルのダメを出させてもらう。

それでも岡部さんは嫌な顔ひとつせず、
「わかりました」という返事で、
私のイメージに寄り添おうと、
様々な音色やタイミングで何度も演奏してくれると!
「それ!」っていう素敵な「音色」が現れた。

そこに
アマティーのピアノをかぶせると、
とっても素晴らしい。

そんな篠笛の「音色」を聞いていた
竹内の兄貴が何やらひらめいたようで、
竹内さん演じる「山下」と、睦子さん演じる「富子」が
芝居小屋から帰るシーンの冒頭に
篠笛の演奏を入れて欲しいとの要望を私にしてきた。

私は、
竹内さんが何を要求しているのかピンときたので、
早速岡部さんに、
竹内さんのイメージを具体的に伝え、
2回目ほどのチャレンジで
「それだよ!」って音を出してくれた。

「こんな感じでしょ?」と
竹内さんに私が確認すれば、
「おおお!それそれ!」
となんとも嬉しそう。

早速、「山下」と「和世」の登場シーンを
篠笛の音色を織り交ぜながら行えば、
さすが!竹内の兄貴!
音色に合わせて、小刻みに身体でリズムをとりながら、
これまでとは、まったく違う形での登場だ。

登場シーンの変更と言えば、
習志野さん演じる「加瀬」が
陽気に登場するとあるシーン。

習志野さんは、突然ある歌を、
アドリブでワンフレーズのみ
かるーく口ずさんで登場をしてきたのだが、
その歌があまりも上手だったので、
「フルコーラス+踊り」
で登場してもらう事にした。

こんな感じで、どんどん進化していく
「明日への旅路」の稽古は、
まだまだ続くのでした。