Page22 –「ありがとうございました。」


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団長の独り言 2020.02.09-④

「ありがとうございました。」

初日の幕が上がった。
岡部さんの篠笛、志帆さんのナレーション、
お二人とも落ち着いていて堂々としていて、
ホリゾント幕に映し出される映像もバッチリ!

一旦暗転となり、メインステージとなる
「春琴閣」全体に明かりが入り、
鈴木千秋と平野美和の二人芝居で
本編がスタートした。

「みんな落ち着いて!」と
神様に祈りつつ楽屋モニターを見つめるが、
どの役者も堂々たるもの。

そうこうしているうちに、
私演じる
「伊藤社長」の出番が近づいてきたので、
舞台袖に向かうと、
初っ端のシーンの出番を終えた役者達が
「よし!」って感じで、
出だし上手くいった安堵感を身体から
溢れさせながら通り過ぎていく。

なんか羨ましい・・・

私はまだ舞台上に出ていないから、
「よし!」って言える心境ではない。

私もみんなのように初っ端のシーンを終えて、
楽屋に戻って来た時、「よし!」って言えるだろうか?
いや!言わなきゃ!

そんな事を思いつつ、
祈るような気持ちで舞台袖にスタンバイ。

「加瀬さん、
お茶とお水のどちらになさいますか?」

という美和のセリフをきっかけに、
私演じる「伊藤社長」は眩しい舞台へと向う。

稽古中、いつも思うように言えなかった
長セリフのやり取りが、これまでの伊藤社長の中で、
一番出来がいいんじゃないの!という感じ。
ホッ!っとして楽屋に戻り、
私も「よし!」って言えましたよ。

その後のみんなの芝居はテンポよく、
大きなミスもなく進んで行く。

どの役者もすっごく落ち着いていて、
クライマックスの
一番感動的なシーンとなる。

「加瀬会長」と「和世」の息を呑む
緊張感あるシーンも、素晴らしい。

客席からは鼻をすする音が聞こえる。
お客様も物語の世界に入って下さっている様子。

そのシーンも無事終わり、
初日の残すところ、エンディングのみとなる。

今回の板橋公演では、
睦子さん演じる「河内森和世」が、
エンディングで歌うシーンで、
ドライアイスを使う事にしたので、
「さぁー!上手くいくかな?」って、

舞台監督の高橋さん、
舞台スタッフの美鶴さんが、
ドライアイスマシーンを
セッティングしている姿を見守ると、
モクモクと勢いよくドライアイスが出る。

そんな中で歌う
「河内森和世」は一段とカッコイイ。

こうして、
目立ったミスもなく、初日は無事終了した。

芝居終了後、私が舞台上から、
お客様へのご挨拶をさせていただいている時、
初参加の松本君が、なんだか知らないけれど、
号泣してんだよね。

彼はこれまでずっと、
受付ボランティアスタッフさんとして
参加してくれていたのだが、
この度、役者として参加してみたい!って事で、
ワンシーンのみの登場と、ラストのギター演奏で
参加してもらったのだが・・・

どうしたの?って聞いたら、
憧れの舞台に立てた事とか、自分が出演者の立場になり、
ボランティアスタッフさんのありがたさが身に染みて、
みんなの頑張りが分かるだけに、
感謝の気持ちで、
胸が熱くなってしまったって言っていた。

ただ、泣くのはまだ早い。
「明日もあるから!」と
彼にも気持ちを引き締めてやるように伝え、
でも何はともあれ、初日は無事幕をおろした。

そして迎えた2月9日(日)。
この日も朝から寒いけれど、
やはり天気は最高にいい。

午前10時に全員集合し、
初日に気になったプロジェクターによる
テロップの投影方法の変更や、
舞台転換が絡む箇所の
照明さんのタイミングの変更等、
細かい箇所を入念にチェックして、
徹底的に転換稽古を行い、

本番5分前、全員舞台に集合し、
「いくぞー!」「おー!」で気合を入れ、

1年間に渡って関わってきた
「明日への旅路」の千秋楽の幕が上がった。

頼もしいくらい、本当に皆さん落ち着いている。

よくありがちなのは、初日上手くいきずぎると、
大抵は2日目の芝居は油断して崩れてしまう
傾向があるものなのだが、
(2日目芝居って言葉があるくらいだからね。)

今回の劇団ふぁんハウスには、全くそんな事は無縁。
やっぱりね、
それだけ稽古を積み重ねてきたんだもん。

こういう時に稽古の積み重ねが
出るよなぁーってホントに思った。

最後の最後まで、
皆堂々と、そして活き活きと、
とってもいいお芝居を演じきってくれました。

フィナーレで、
睦子さん演じる「和世」のソロのあと、
全員が歌いながら登場すると、会場から大きな拍手が!

だめだ!歌えなーい。
お客様の温かい想いが伝わり、
もう涙が込み上げてきて歌えないー。

でも代表がここで泣きべそかいちゃーいかん。
笑顔で!笑顔で!
みんなにフィナーレは笑顔で!って言ってんだから、
泣き笑いでなんとか歌い続け、
千秋楽も無事幕を下ろす事が出来た。

終演後、お客様へのご挨拶にとロビーに出れば、
そこにもあったかぁーい雰囲気が充満していた。
大勢のお客様が、
今回もとても喜んで下さるのが、伝わってくる。

ここをこうしなきゃ・・あそこがまずかった・・・
ってのは今回もあったけれど、
何はともあれ、「成功した」って言っていいのかなぁ?
と思えた瞬間。

稽古期間中は、辛い事、苦しい事がほとんどで、
それでもこうして沢山の方の笑顔に触れていると、
まだ続けて大丈夫なのかな?って思える。

ありがたい事に次回の8月公演も、
その次の1月公演も決まっている。

これからも
色々な方の言葉を真摯に受け止めて、
本当の意味での本物の芝居が出来る
劇団を目指します!

皆さま、
これからも劇団ふぁんハウスを
よろしくお願いいたします。