Page12 –「動きを止めない」


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団長の独り言 2020.06.21

「動きを止めない」

メインの稽古場として利用させていただいている
区内施設は未だに使用不可の状態なのだが、
本番押し迫った頃、昼夜稽古を行う際に
毎回お借りしている別の施設の利用抽選が
ようやく始まった。

どうやら7月から利用が可能のようで、
様々な団体さんが今か今かと心待ちにしていて、
抽選倍率も結構なもの。

劇団ふぁんハウスの本稽古自体は
9月末からとなるので、
その頃の状況はなんとも予測出来ないけれど、

8月に演劇教室を開催する予定なので、
7月に抽選に挑むのだが、
果たしてちゃんと部屋が取れるかどうか?
運を天に任せましょう。

まぁー仮に部屋の予約が出来たにしても、
「コロナ対策の新しい形」
を取り入れる事になるだろうから、
まずはマスク着用は必須になるよね。

そして人と人との距離を詰めないようにする・・・
だよね。

これまでの芝居のレッスンの概念を
変えて挑まなきゃいけない。

そういえばNHKの情報番組「おはよう日本」で、
俳優の中西良太さんが企画・脚本・出演をしている
「ある役者達の風景」って
短編映画を紹介していたので、
早速YouTubeで観てみたのだが、
面白くて、切なくて、
そして元気に前向きに行こう!
って思える作品だった。

自粛中で稽古場の使えない役者達が、
河川敷に集まって
芝居の稽古を行うという内容なんだけど、

「えー!?嫌だよ!こんなところで稽古するの。」
「だってしょうがないじゃない。稽古場使えないんだし、
三密避けられるのこんなところしかないんだから」

と二人の「いい歳」をした
登場人物がやり取りをしながら、
晴天の青空の中、
河原で真剣に稽古をしている姿は、
演劇に携わるすべての人達の気持ちを
代弁しているようで、コミカル仕立てなのに、
何故かジーンっとしてしまった。

中西良太さんといえば、
私が20代の頃、
ミスタースリムカンパニーという
「ロックンロールミュージカル劇団」のスターとして、
布施博さん共々リーゼントに革ジャンで
大活躍していたのだが、
今や渋い役者さんになられていた。

「ある役者達の風景」は、
「おはよう日本」の番組の中で取り上げていたのだが、
その取材の中で中西良太さんは、
布施博さんが経営している小劇場を訪ね、
お二人で話をするシーンもあって、
その中で布施さんは

「今のままでは演劇という文化そのものが廃れてしまう」

と寂しそうに語っていたのがすごく印象的だった。

布施博さんを拝見するのも久しぶり。
数十年前、
「刑事貴族」や映画「ゴールドラッシュ」で
共演させていただいたけれど、
布施さんってお茶目で気さくで飾らなくてねぇ。

映画の待ち時間の間、たくさんのお話をしてくれて、

「(映画ゴールドラッシュの本編に出てくる)
あのムスタング(アメ車)、あれね、『刑事貴族』で
舘さんが乗っていたやつなんだよ」

って裏情報を教えてくれたり、

撮影現場の物陰に横たわり、
「俺、ちょっとここに隠れて寝るからさぁー、
スタッフが俺を探しに来たら、
『台本読んで勉強している』って言って、
俺をこっそり起こしてな。」

何てことを言って本当に
物陰で寝てしまったり・・・

その他にも、
結構色々な面白い話をして下さった。

またご一緒したいなぁーと思いつつ、
私はとりあえず「プロ」の道から
離れてしまったけれど、
小劇場を経営されているという事は知らなかった。

そんな布施さんの劇場も、
年末まで持ち堪えられるかどうか
不安を感じているとの事・・・。

コロナという奴が演劇に携わる人の
人生を大きく変えてしまっている。

それでも中西さんは、

「どんな逆境でも
役者としての動きを止めてはいけない」

という事で、
今回の短編映画を企画されたそうだ。

動きを止めない!
そうだよなぁーってシミジミ。

劇団ふぁんハウスも、
せっかく22年も続けてきたのだから
動きを止めるわけにはいかない。

まずは8月の演劇教室開催、
そして来年の

1月30日(土)・31日(日)に
赤坂区民センターで開催する

「ざ・クリーンキーパー」

に向けて下準備をして、
しっかりコロナ対策をしつつ、

劇団ふぁんハウスらしい
エンターテイメント作品をちゃんと創って、
動きを止めないよう
「元気」でいなきゃいけない!
と思ったのでありました。