Page30 –「中学生達と。」


『団長の独り言』PDFファイル(A4サイズ)
↓ こちらからダウンロードできます。
団長の独り言 2020.10.25

10月25日(日)「中学生達と。」

先月、都内中学校演劇部に訪問した事は、
「団長の独り言・9月13日・反省と感動」
でお伝えしましたが、

今日も午後から
劇団メンバーと共に中学校にお邪魔して、
生徒のみんなと汗を流してきた。

前回の訪問では、基礎訓練を中心とした
「お芝居に触れる」的なモノを行ったのだが、
今回は部員達が3グループに分かれて
3つの作品を発表するとの事なので、
それぞれの作品について、
素晴らしい点をより伸ばしてもらうためにも、
もっとこうした方がいい!ああしたほうがいい!
というアドバイスをさせて頂いた。

本当ならば今の時期、
区内連合学芸発表会が行われ、
演劇部のみんなは大きなホールで
自分達の演劇作品を披露していたはずなんだけど、
ご存じのように
修学旅行、運動会、文化祭等の行事は中止の中、
当然ながら合同発表会も中止となり、

演劇部は発表の場がないまま
今年度は終わってしまうという
事態になりかけていたけれど、
顧問の先生達のご尽力と
生徒達の熱意で「何かを残そう!」って事になり、

3人の生徒達が描いた3つのオリジナル作品を、
3つに分かれた各グループが演じて、
それをビデオに収録し、
ミニ上映会を演劇部内で行うという事に
なったそうだ。

午後1時前、中学校に到着すると、
校門前には、生徒さん達と顧問の先生の姿。

出迎えて下さる皆さんに恐縮しながら、
大きな部屋に行けば、
マスク姿の20数名の生徒さん達が、
礼儀正しい挨拶をしてくれる。

コロナ対策で大きく開け放たれた窓からは、
晴天の空より
降り注ぐ太陽光線が部屋を明るく照らし、
爽やかな秋風が心地よい。

しばし、
みんなと雑談でもしたいところではあるが、
3時間で3つのグループの作品への
細かなアドバイスを行わねばならないので、
早速各グループの作品から見せてもらう。

1つ目の作品は、
超能力が使える生徒しか入れない中学校の物語。
この中学では、普段超能力を使ってはいけない
という校則があるそうで・・・しかし、
そんな中「ある事件」が起こる。

チームワークの良さが全面に出ていて、
とてもテンポよく進んでいたけれど、
場面転換になった瞬間、間延びした感じだったので、
そこの部分を指摘すると、

「次のシーンは別の部屋で撮りますので・・・」

と演出担当のNさん。

「別の部屋????」
つまりカット割りをするって事?
えっ?何?そうなの?

私はてっきり、
無観客の体育館で普通に演劇を行い、
それを客席の一番後ろから
固定のカメラで収録するものだと思っていたけれど、
どうやら舞台での芝居というよりも、
ちょっとした映画を撮るという事を
考えているみたい。

その事がよーく分かったのが、
次のチームでK君率いる「化け物」という
見世物小屋を舞台に繰り広げられる切ない作品を
見せてもらっていた時だった。

作・演出・出演のK君は、
「ここのシーンは、後ろからこーやって撮りまして、
それでここのシーンでは、
この下から(ローアングルで)彼女を撮ります・・・
ここで全体を撮りまして・・・」

と彼の頭の中にある、
プロ顔負けの映画のような
事細かなカット割りを説明してくれる。

しかも見世物小屋のシーンで

「さぁー寄ってらっしゃい!
みてらっしゃい!」

と口上を述べる際のBGMも、
彼の頭の中にはキチンとリズムがあるようで、
ピアノを演奏するアマティーの傍に行き、

「こんな曲を弾いてもらえますか?」

と言うや否や、いきなり
「♪らぁーららららーらら♪」

と自作の曲を朗々と歌い始めるじゃないの。

K君は1年生の時から
「何か持っている子だな」と思ってはいたが、
あらためて彼の創造性と才能には感心する。

もっとも、
その彼のオリジナル曲を1回聞いただけで
リズムとしてピアノ演奏してしまう
アマティーの絶対音感は、
さらに感心したけど・・・。

そして最後のチームの作品は、
中学校演劇部の連合大会の当日、
部員が様々な理由で来れなくなるけれど、
残った部員と助っ人の他校の先生や
生徒達数名でなんとか学芸大会を
乗り切るというお話。

こちらのチームは、
かなり練習したであろうって事が分かるほど、
役者同士の息がぴったりで、
長いセリフも非常にテンポがいいので
聞いていて心地いいし、
しっかりと創り上げられていた。

で、こちらの作品も「映画」なので、
K君のチームほどではないけれど、
やはりカット割りがあって、
カメラを意識したものとなっていた。

どの作品も、観ていて引き込まれる
楽しいものばかりで、
こりゃー
こちらも負けちゃーいられんぞ!と気合が入る。

それにしても、みんな舞台での
芝居がしたかったはずなのに、
腐らずしらけず一生懸命やっていた。

そうしたみんなから、
今回もいい刺激を貰い、
この日の夜、
中学生に負けず劣らず一生懸命な
劇団ふぁんハウス軍団と共に、
充実した稽古を繰り広げたのでした。