Page22 – 「公演を終えて」上野 友記子


2月3日 (月)「公演を終えて」

1月18日公演当日の朝、仏壇に手を合わせました。
「お父さん、舞台本番です。いってきます!」
運動会の時も、授業参観の時も、サッカーの試合の時も、
卒業論文発表の時も、就職面接の時も、
大きな行事の前には必ずとびきりの笑顔にガッツポーズをして
「頑張れよ!」と送り出してくれた父はもういないのです。

14時の開演直前、怖さと緊張のあまり涙が止まらなくなりました。
この3ヶ月と半月皆で作り上げてきた作品を、
私の緊張やミスのせいで雰囲気や舞台自体を壊してしまったらどうしよう、
と不安で不安で仕方がなかったのです。
すると耕一郎おじいちゃん(番藤松五郎さん)が私を呼び、
にっこり笑ってこう言ってくれました。
「純は大丈夫だよ。」
共演者やスタッフの皆様からも激励をいただき、
そして最後に団長に両肩を力強くポンッ!
「よし!やるぞ!」

沢山の皆様の支えを胸に、
「ゆき」こと上野友記子は今自身が出せる最高の演技で
「新田純」を演じきることが出来ました。
これもご来観いただきました皆様、スタッフの皆様、共演者の皆様、
劇団ふぁんハウスをサポートしてくださった皆様のお陰です。
本当にありがとうございました。

亡き父に感謝の気持ちを伝えるべく参加した今回のお芝居ですが、
劇団ふぁんハウスとの出会いは
亡くなってからもなお私のことを思ってくれる父からの
素敵な贈り物だった様に思えます。

公演後、自宅に戻ると仏壇の父に手を合わせ、心の中で呟きました。
「ありがとう、お父さん」
自分が泣いていることに気がついたのは、合わせた手に涙が落ちた時でした。
落ちた涙は温かく、まるで湯たんぽマンだった父が
手を握ってくれているかのようでした。

父のとびきりの笑顔とガッツポーズはもうないけれど、
私には劇団ふぁんハウスのやさしい笑顔と
温かさがあるのだと嬉しく思います。