Page26 –「夢のカーテンコール大成功!」


7月27日(日) 「夢のカーテンコール大成功!」

初日から一夜明け、
午前10時、楽屋入り。
身体のあちらこちらが痛い。

特に両足のふくらはぎが
めちゃくちゃ筋肉痛。

何故だろうか?
普段からジムで様々な
筋肉をいじめているので、
ちょっとやそっとでは、
筋肉痛になんか
ならないはずなのに・・・。

芝居をするってのは、
特殊な筋肉を
使っているんだろうなぁー。
なんて思いながら、
楽屋で、お客様からちょうだいした
昨日の芝居のアンケートを読む。

皆さんが、とても楽しんでいただけた
様子が描かれているのがほとんどなので、
ホッと胸をなで下ろすが、

参考にさせていただくことのできる
ありがたい厳しいご意見も
頂戴することができたので、
そんなご意見を改善すべく、
関係者を交えて対策を講じ、

あとは初日で
失敗こそしなかったものの、
不安材料の多い
転換の稽古をおこなうため、
全員客席に集合してミーティング、
それから転換稽古を開始する。

1時間程度、舞台を使って
転換稽古をおこなったおかげで、
初日明けで、ぼんやりしていた
頭と身体がシャキッ!としたので、
くれぐれも2日目芝居に
ならないようにと全員に伝え、
午後12時(本番の2時間前)
一旦解散。

(2日目芝居とは・・・
初日は緊張しているので、
意外と上手くいくものだが、
上手くいったので、
2日目(あるいは2回目)は、
油断してしまい、
とんでもないミスを連発してしまう
芝居のことを2日目芝居という)

各スタッフさん達は、
照明の直し、サウンドチェック、
舞台装置の手直し等をおこない、
それらの作業をトータル的に
高橋さんが見ている。

一方、ギター演奏の紫龍さんと、
ピアノ演奏のアマティアズは、
これでもかぁー!ってくらいの音あわせ。

役者達はといえば、
すでにメイクを始めるものもいれば、
軽食を済ませた人もいる。

そうかと思えば、
じーっと台本に目をやる人、
ストレッチをする人、

どの役者も緊張をほぐすために、
色々な事をしている。

そうこうしていると、
時間というのはあっという間に
経つもので、

「開場しましたぁー」

という高橋さんの声が
楽屋廊下中に響き渡ると、
楽屋のモニター画面には、
続々とご入場されるお客様達。

開演十分前、緞帳幕の中に
全員集合して円陣を組み、いつもの儀式

「いくぞー!」「おー!」

で気合いを入れ、
諸注意をみなに伝え、本ベルが鳴るのを
静かに舞台袖で待ち、

舞台監督・高橋さんが
インカム越しに伝える

「本ベルお願いしまーす」

の合図で、2日目の芝居が幕を開ける。

昨日、無事初日を終えたのだけど、
それでも、この瞬間は「怖い」。

一旦、ステージに出てしまえば、
「怖い」も何もなく
スイッチを入れることが
できるのだが、
何度経験しても、出番直前というのは、
日常生活では、ありえない
アドレナリンが出るので、
とにかく余計な事は一切考えず、
集中して自分の出番を待つ。

芝居が進むにつれ、客席から
大きな笑い声や拍手が沸き、
予想以上の盛り上がりに、
どんどんと乗せられて、
ノビノビ活き活きとやっている
役者達がすごく頼もしい。

私もみんなに負けじと
全神経を集中し、
「住道純也(すみのどうじゅんや)」
を演じ切る。

エンディングの歌では、
お客様も大きな手拍子とともに、
一緒に歌ってくださる姿が
ステージからもよく見えて、
2日目も大盛況の中で無事終了。

そしていよいよ千秋楽。
終わりよければすべてよし!

35度を超える炎天下の中、
劇場に足をお運びくださる
大勢のお客様に喜んでいただくためにも、

今まで稽古に次ぐ稽古を
おこなってきたみんなを信じて、
己を信じて、気持ちをひとつにして、

本番までは各々が、昨日同様の時を過ごし、
きらびやかなステージへと駆け出すと、
笑いと拍手の大きさで、
お客様が楽しんで下さっているのを
実感し、ラストの大詰めまで進む。

アマティーがピアノで
演奏する長渕剛さんの
「マイセルフ」が流れる中、
私演じる「住道」が、「夢と人生」を語るシーン。

ピンスポットの光に吸い込まれそうな
錯覚に陥りながら、自分(平野恒雄)が、
これまで歩んできた人生と、
「住道」のセリフがオーバーラップしてきて、
自分なのか、役の人物なのか分からなくなり、
思わず感極まってしまう瞬間が
何度もあったけれど、無事に言い切った。

エンディングでは、会場中が一つになり、
笑顔いっぱいの客席と出演者で大合唱!

そんなお客様達に対して、
感謝の気持ちと嬉しさで胸がいっぱいになる。

こうして紆余曲折を乗り越えて完成させた
「夢のカーテンコール」は、
今回も大盛況の中、幕を下ろす事ができた。

緞帳幕がゆっくり下りた後、
我々はロビーに出て、笑顔の華が咲き乱れる中、
お一人、お一人にご挨拶をさせていただき、
お見送りを済ませると、
余韻に浸る間もなく、楽屋に飛び込み、
メイクを落とし、着替えを済ませ、
大道具のバラシ作業!

トン・テン・カン!
ギュルルルー バタン!

色々な音の中、舞台の片付けを終え、
バラバラになった舞台セットの
大きなパネルを、蝉がなく中、
番松さんと二人で運んでいると、
なんだか不思議な気持ちになる。

「さっきまで、スポットライトを
浴びていて、お客様から大きな拍手と
大歓声をちょうだいしてのが
夢のようですね。」

と、私は番松さんにつぶやくと、

「芝居は儚いもの・・・
人生も儚いもの・・・
だから、懸命にやるんですよ」

と言ってにっこり笑った。

さりげなく番松さんは言ってくれたけど、
とても重みのある言葉で、
私の心に深くしみ込んだ。

「次も懸命にやるぞ!」

と燃える心で、パネルを
トラックに積み込んだのでした。
ご来場いただきました皆様、
応援してくださった皆様、
お手伝いしてくださった皆様、
本当ありがとうございました。

次回は2月11日(祝)に
板橋区立文化会館での
「夢のカーテンコール in 板橋」
再演が決定いたしました。

これからも、劇団ふぁんハウスを
よろしくお願いいたします。

劇団ふぁんハウス 平野恒雄