Page2–「素晴らしき芸術家達」


3月1日(日) 「素晴らしき芸術家達」

チラシの絵が出来上がってきた。
前回公演「夢のカーテンコール」で、
メチャメチャかっこいいギター演奏を
してくれた紫龍さんが、

「この画家さんはすごいんです!」

と絶賛し、
紹介をしてくれた
K-OZAWAさんという
プロの画家さんの作品なんだけど、

送られて来た絵を見た瞬間、
「おお!」って誰もが
歓声をあげるほど、
素晴らしい絵なのだよ。

まずはK-OZAWAさんを
「夢のカーテンコール」に
お招きをして、
劇団ふぁんハウスの雰囲気を
しっかりと感じとって
いただいたところで、

公演終了後、OZAWAさんに

「長編で申し訳ないのですが、
これを読んで、好きなように
描いてください!」

と言って、脚本をお渡ししたのが
3週間ほど前だった。

するとOZAWAさんは、
短期間で、独特のタッチの
素晴らしい作品を
完成させてくださったのだ!

どんな作品かといえば、
メルヘンチックな街並みの真ん中に、
羽の生えた2つの照明機材に照らされた
「クラシカルなステージ」が描かれていて、

そのステージ上には、
それぞれの思いを胸に秘めた
登場人物が正面を向いて立っている。

ステージの右側は
格子戸の「居酒屋門出」、
左側に午後5時を指す大きな
鳩時計が並び、
絵全体の手前には、
なんと!巨大な台本とエンピツが、
物語を象徴するかのごとく描かれ、
バックの夕空には
大きなサーチライトが2本、
クロスして空を照らしている!
って感じの絵なのだ。

OZAWAさんは、
おそらく、何度も何度も
脚本を読んで
くださったのだろう。

絵と「ようこそ!これからの青春」とが
ぴったりとリンクしていて、
見ているだけで「夢」と
「ワクワク」が伝わってくる。

稽古開始前、
こーんな素敵なチラシ絵を見て、
力をいただいた我々は、
寒さを吹き飛ばす勢いで、
この土日の2日間、
ビッシリとおこなった。

前回の読み合わせの時は、

「違うんだよなぁー」

って思いながらも、グッと堪えて、
みんなには、
とりあえず好きなように読んで
(演じて)もらったのだが、

昨日今日の稽古では、
その都度(芝居を)止めて、
徹底的にダメを出していった。

最初に気になったテンポの悪さは、
これまでも何度となく
指摘してきたので、
そこはなんとかクリアー。

テンポが良くなるだけで
断然物語に迫力が出てくる。

演じる役者もノリノリとなり、
ようやく、芝居に対するダメも
出せるようになった。

最初は、脚本の読み込み方が
イマイチ浅くて、
ややピントのずれた芝居でも、

「この人物はこういう人だと
思うんですよね。」

「2人の関係性を深く追求すると、
会話中は目線は、
合わせられないはずですよね。」

「もっと激しく!陽気に!」

「もっとクールに!」
「真っ直ぐ!もっと真っ直ぐ!」

「全然変わっていない!」

等々のダメを出していくと、

みんなの芝居は、どんどん変化していって、
まだ読み合わせの段階なのに、
私が描こうとしていた以上の芝居が
生まれ始め、
これまでの劇団ふぁんハウスの
芝居とは違った、
「大人」の芝居が表れてきた。

その大人の芝居の読み合わせでは、
今回も初めからアマティーの
ピアノの生演奏が入る。

アマティーも、劇団ふぁんハウスに
入団してからすでに10年を
経過しているんじゃないかな?

クラッシック畑の
音大出の彼女にとって、
最初は、私のコテコテの
大衆文化の匂い満載の芝居へ
BGMを入れるなんていうのは、
きっと戸惑いの連続だったと思う。

しかし、今では

「ここでこんな音が欲しい!」
「こんな感じのメロディー」

っていう私の癖というか、
要求をちゃんと把握していて、
打ち合わせをしていなくとも、

「アマティー、ここで曲!」

と言っただけで、私のイメージ通りの
芝居に合わせた曲を、
ちゃんと役者のテンポに合わせて
伴奏をしてくれる。

その曲は、時にはオリジナル、
時に既成の曲ではあるけれど、
アレンジを変えて、
うまーく芝居と融合させての演奏なのだ。

今日の読み合わせでも、
「違うよなー」っていう芝居でも、

「アマティー、試しにここで、
なんか曲を入れてみて!」

と言って、彼女にオリジナル曲を
入れてもらうと、ありゃー不思議!

「違うよなー」の芝居が、
ものすごく感動的な芝居へと
変化していくのだからね。

もちろん、今回も彼女とは
なんの事前打ち合わせもしていない。

「なんか曲入れて!」だけで、
彼女は、私はどういう雰囲気を
望んでいるのかを瞬時に理解をして、
私の思い通りの曲を入れてくれるのだ。

エンディングでのセリフのあとも、

「アマティー、ここはジャーン、ドカドカ、
ドルルウルルー、ジャガジャカジャーン!
ドビャーン!バーン!バーン!
バァーンで終わって!」

と言えば、その通りに
演奏してしまうんだもんなぁー。

普通、クラッシックの音楽家に
こんな注文をしたら、

「はぁ?馬鹿じゃないの?
そんな事は出来るわけないでしょ!」

って、投げ捨てられるよね。

まぁー
劇団ふぁんハウスの役者は、
彼女の伴奏に、
随分と助けられていると思う。

いや「役者は」というよりも、
「平野作品は!」と言ったほうが
いいかもしれない。

いずれにしても、
今日の役者の頑張りと、
アマティーの演奏のおかげで、
自信喪失だった今回の脚本も、

「これは、ひょっとして面白いかも?」

と思うことができた、稽古でした。