Page17–「初日」


印刷用『団長の独り言』PDFファイル(A4サイズ)
↓ こちらからダウンロードできます。
PDF 団長の独り言 2015.05.29

5月29日(金) 「初日」

初日の朝、晴天とまではいかないけれど、
青空ものぞくいいお天気。

これまで17年間、ライブショーも入れると
29回劇団公演を行っているけれど、
初日の朝、
雨に降られたことが一度もないというのは、
考えてみるとスゴイことだね。

いつものように、
ハウンドドッグの「フォルティシモ」を
大爆音で聴き、平野カーにて劇場入り。

集合時間前には、
スタッフさんも出演者も全員楽屋入りしている。
当たり前のようにみんな来ているけれど、
ちゃんとみんなが揃っていると、
やっぱりホッとするね。

午前9時半、関係者一同全員舞台に集合し、
普段は劇団の倉庫を護って下さっている
お社の中に入った明治神宮の「神様」を
舞台中央に設置して、
その「神様」を皆で取り囲み、
三田ヒデ劇団ふぁんハウス
特任宮司の祝詞に合わせて、
二礼二拍手、一礼と、神社の
参拝にのっとり「成功祈願」を行う。

ヒデさんの祝詞は、声がデカくて、
不思議と説得力があるし、
ヒデ宮司が祝詞を唱える公演は、
すべて成功しているので、
気も引き締まりますわね。

そんな儀式を終え、午前10時より、
昨日残した後半のクライマックス部分の
場当たりから。

舞台監督の高橋さんのリードで、
場面転換を絡めた照明、音響効果、
役者の立ち位置の調整を行う。

私は客席の一番後ろから、照明の色合いや、
効果的に使うマイクのエコーの
響き具合などをチェックし、
私のイメージとやや違う照明だと、
客席に調光卓を設置している
照明の土門さんのところに行き、

「後ろはいらないので、
前の明かりだけだとどうなります?」

とか

「ここのシーンは、
もう少し幻想的な感じで・・」

と注文をすると、
無数に並ぶ調光卓のフェーダーを
いくつもいくつも素早く動かし、
舞台の明かりをドンドンと
変化させてくれる土門さん。

「こんな感じでどうです?」

おお!ドンピシャ!

今度は下手奥の「さゆりと近藤」のシーン。

「リバーブが欲しいなぁ・・」

と思い、客席の一番後ろで
ミキサー卓を操作する野中君のところへ行き、
そのことを伝えると、やはり
ズラリと並んだフェーダーを微調整。

「おお!イメージ通り!」

お二人とも、
私の癖を知り尽くしているので、
すぐに意思が伝わるのでありがたい。

場当たりはこんな感じでサクサク進み、
約1時間半後の午後2時より、
ゲネプロ(リハーサル)が開始された。

本番と全く同じ状態
(照明、音響、舞台転換、衣裳、メイク)で行う、
これまで稽古してきた最後の総仕上げだ。

いつものふぁんハウスの芝居より
場面転換がかなり多いので、

「次はどんなシーンだっけ?」
という事をキチンと把握しておかないと、
とんでもないミスを犯してしまうので、
いつも以上に集中力が必要。

出番や上手・下手を間違えてしまう
あるメンバーには、共演者一同、
ハラハラ、ヒヤヒヤしたけれど、

それ以外は、
ほぼパーフェクトなゲネプロも終了し、
あとは、いよいよ本番を迎えるのみとなった。

我々がゲネプロを行っている間に、
受付スタッフさんによる
ミーティングが行われていた。

ゲネプロが終わったタイミングで、
今回も劇団ふぁんハウスの
玄関を守って下さるみなさんにご挨拶をし、
軽い食事を済ませ、メイクを直していると、

「開場しまーす!」

という舞台監督の高橋さんの声。

楽屋に設置してあるモニター画面に目をやれば、
シーンとしていた客席が急にザワザワし始めて、
お客様が次から次へとお越しになり、
400人収容の客席は、
あっというまに人、人、人。

情報によれば外は雨。
雨の中、本当にありがたい。

開演5分前、
関係者全員が緞帳幕の内側に集合。
どの顔もどこか緊張しているので、
私は笑顔でみなに告げる。

「これまでやってきた
自分に自信を持って、精一杯楽しもう!」

各自右手を前に出し手の甲を合わせ、
お客様に聞こえないように、
小声の「いくぞー」「おー!」で、
みんなガッツポーズ!

それから、「よろしくお願いします」と
各自、それぞれの場所にスタンバイ!

まずは1ベル、
ボイスエマノンさんの
場内アナウンスが流れると、

「各スタッフさん、初日よろしくお願いします。
では本ベルお願いします。」

と、高橋さんがインカム越しに
各スタッフさんに合図を送り、
緊張と不安の入り混じる中、
ついに幕が開いたのでした。